依頼に応じてクルマを盗んできた男

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愛知県警は25日、台湾人ブローカーからの依頼に応じる形で乗用車やトラック、重機などを盗み出していたとして、スリランカ国籍をもつ33歳の男を同日までに窃盗容疑で書類送検したことを明らかにした。この事件ではこれまでに9人が逮捕・送検されており、この男で10人目となる。この男の送検を済ましたことで、事件の捜査はほぼ完了するという。

愛知県警・捜査三課の調べによると、この男はすでに逮捕・起訴された仲間3人(いずれもスリランカ国籍所有)と共謀し、昨年10月28日の未明に岐阜県可児市内の運送会社に侵入。駐車されていたトラック1台を盗んだ後、隣接する木製品加工会社からフォークリフト1台も盗んだ疑いが持たれている。

これを盗むように男へ依頼していたのは台湾人のブローカーで、男はこのブローカーから車種や年式など、かなり細かい注文を受け、この依頼を受ける形で盗みを重ねていた。

盗んだクルマなどはただちに分解され、中古部品として正規輸出されていたとみられる。このブローカー自身、台湾マフィアから“日本支店長”として雇われていたとみられ、盗まれた部品は台湾を経由した後、さらに第三国へと輸出されていたらしい。

警察では一連の事件の容疑者として、今回の男を含めてこれまでに10人を逮捕。事情聴取の課程などから推定した被害総額は約10億円とみている。

今回の書類送検で警察の捜査は終結するが、これまでは「クルマ本体を海外へ」とされてきた常識が、この事件以後は「クルマは部品レベルで密輸出される方が多い」という常識に変わった。

全国の税関ではコンテナの状態で中身の精査が可能なエックス線装置の導入も進んでいるが、「この事件が発覚しなければ、それが導入されることも無かったはずだ。それほどこの事件が社会に与えた影響は大きかった」と警察ではコメントしている。

《石田真一》

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