愛知県碧南市の港で手錠をかけられた71歳男性の遺体が発見された事件について、愛知県警は7日、この男性が昨年8月に岡崎市内で接触事故を起こし、事故の相手方から多額の現金を要求されるトラブルが起きていたことを明らかにした。
この男性が失踪した直後、何者かがこの男性の口座から現金を引き出そうとして失敗したおり、警察では一連の事件に関連性があるとみて調べを進めている。
愛知県警・碧南署の調べによると、この事件が明るみになったのは今月5日だという。同日の午後5時50分ごろ、碧南市港本町付近大浜漁港沖合いに男性の遺体が浮いているのを帰港中の漁船が発見した。
死亡していたのは岡崎市内に住む71歳の男性で、3月9日に失踪したまま行方不明となっていた。失踪と同じタイミングで男性の家が荒らされて金庫が盗まれ、さらに男性の口座から現金を引き出そうとしていた若い男がいたことが明らかになった。結局、現金の引き出しには失敗している。
その後の調べで男性は何者かに拉致され、暴行を受けた後に絞殺されたものと判明。警察では殺人や金庫盗難など、一連の事件にはすべて関連性があるとして捜査を続けていた。
その結果、殺された男性は昨年8月、岡崎市内で軽微な接触事故を起こし、この際に相手方から高額な賠償を迫られていたことが明らかになった。男性は実際に数百万を支払っているが、その後も複数回に渡って多額の現金を要求されていると周囲に漏らしていることもわかった。
警察では男性が現金の支払いを拒んだことで、殺害して強引に現金を奪おうとした可能性が高いとみて、事故の当事者が誰だったのかを調べていく方針だ。