タイヤ脱落、事故に結びつけたドライバーを書類送検

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昨年10月に兵庫県伊丹市内で発生したタイヤ脱落に絡む衝突事故で兵庫県警は13日、整備を怠ってタイヤを脱落させた38歳のトラック運転手の男と、この男が運転するトラックから脱落したタイヤを追越車線に弾き飛ばした別の38歳トラック運転手の男を同日までに業務上過失致死容疑で書類送検した。

兵庫県警・高速隊によると、事故は昨年10月1日の午前4時40分ごろに発生している。伊丹市荒牧付近の中国自動車道上り線(3車線区間)の追越車線を走っていた大型トラックが路上に落ちていた大型車用のタイヤに乗り上げ、コントロールを失ったまま中央の走行車線に弾き飛ばされた。

中央車線には40歳の男性が運転する別の大型トラックが接近しており、突然前方を塞ぐ形で現れたトラックを避けられないまま追突。追突された側のトラックは左側車線を超えて路肩まで弾き飛ばされ、側壁に激突した衝撃で運転席と荷台の接合部が破断。真っ二つに折れた状態で数十メートル走った。

この事故で追突されたトラックの運転手が全身を強く打って即死、漏れた燃料が引火して荷台部分も全焼した。避けられずに追突してしまった側のドライバーにケガは無かった。

後の調べで、路上に落ちていたタイヤは広島県内に住む38歳の男が運転する大型トラックから脱落したことがわかった。また、脱落したタイヤは走行車線に留まっていたが、これを後続のトラックが追越車線まで弾き飛ばしていたことも判明している。

タイヤを脱落させたトラックは車軸とハブの間にあるベアリングが焼き付きを起こし、事故の直前からは異音を発する状態だったが、運転していた男はこれを無視。結果、ベアリング部に異常な負荷が掛かり、一気に破断に達したものとみられている。

また、タイヤを弾き飛ばしたトラックの運転手も「路上にタイヤが落ちていること」は何となく認識しながらも、これを弾き飛ばして事故を拡大させる要因を作り出した。

このため警察では「この2人の責任は大きい」と判断。2人を業務上過失致死容疑で書類送検した。

タイヤに乗り上げたトラックを運転し、死亡した40歳の男性については「前方の安全確認に怠りがあり、回避を目的とした車線変更が急に行われた」と認定。道路交通法違反(安全運転義務違反)で被疑者死亡のまま書類送検する方針だ。

《石田真一》

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