債務者への嫌がらせに消防車

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兵庫県警は27日、いわゆる「090金融」の業者と返済を巡ってトラブルとなった女性に対し、この業者が虚偽の火災発生通報を行い、消防車を女性宅に向かわせるという嫌がらせが行われていたことを明らかにした。

警察では「悪質な嫌がらせ行為」と認定。この業者に対する警戒を強めている。

兵庫県警・生活経済課によると、一連のトラブルが発生したのは今年3月以降。尼崎市消防局の代表電話番号に男の声で「市内のXXで火事が起きた。家が燃えている」という内容の通報が寄せられた。

119番への通報ではなく、火災現場を目撃したという割には落ち着いて通報がなされていることから、消防では「いたずらではないか」と判断したが、念のために現地へ消防車など7台を派遣。燃えたとされる家に住んでいた女性から何者かのいたずらによる誤報であることが確認され、引き上げている。

これ以後も3回、同じ内容の通報が寄せられたが、2回目の通報のときに署員が「声が落ち着きすぎている」と指摘すると、3回目にはわざと息を切らせてみたり、4回目には慌てた口調を装って通報するなどした。しかし、結局はどれも虚偽。4回の通報で出動した消防車や救急車は合計で14台(延べ数)となっている。

警察や消防では火災現場とされた場所に住む女性から事情を聞いたが、そこで新たな事実が明らかになった。

実はこの女性は、大阪府内のヤミ金融業者(090金融)と借金の返済を巡ってトラブルになっていた。女性が業者から借りた金額は数万円だが、業者は「利子が足りない」として、元本の7倍近い現金を強引に回収していた。女性が以後の返済を拒むと、業者は「カネを払わないなら消防車を向かわせる」と宣言していた。

さらには「この先、本当に消防車が必要になるかもしれないな」とも予告しており、こうした経緯もあって、消防は虚偽とわかっていながら消防車を毎回出動させているという。119番への通報ではなく、消防署の加入電話に掛けてくる狙いは「逆探知を防ぐためではないか」としている。

警察ではこの業者の行為を「非常に悪質であり、通報の信頼性を揺るがす」として、捜査を開始。虚偽通報した人物の特定を急ぐ方針だ。

《石田真一》

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