ストラーダ『HS400』のエンターテイメントバンク機能を使うとしたなら、実際には動画よりも音楽が中心になるのではないだろうか。音楽ファイルをハードディスク(HDD)にコピーして、ジュークボックスにしてしまうというのはHDDナビの醍醐味といえる。
HS400には本体でリッピングする機能は備わっていないが、パソコン(PC)で作成したMP3形式の音楽ファイルをSDカードやUSB経由で本体HDDにコピーして使うことができる。
HS400へのファイル転送にはSDカードを用いるものの、高度な著作権保護機能のある「SDオーディオ」には非対応となっている。SDオーディオはPCから別機器にコピーするチェックアウト、もとのPCに戻すチェックインという機能が備わっている。
HS400の場合は「ユーザーがすでに持っているファイルをHS400にコピーするのみ」で、HS400にコピーしたファイルを再度SDカードに戻すことはできない。こうすることによってコピーの拡散を防いでいるというワケ。戻すことを最初からできなくしているので、高度な著作権保護機能は必要としなかった。
メモリーカードを用いて、カーナビのHDDにMP3ファイルを転送するという製品はほかにも存在するが、専用アプリケーションでナビ用フォーマットに変換する必要があった。HS400の場合はPC上でSDカードにファイルをコピーするだけで使えてしまう。この手軽さは魅力的だ。PCとHS400をUSBケーブルで接続し、転送ソフトである「Car Navigation USB Tool 2」を使えば、さらに簡単にデータ移動ができる。
MP3ファイルの作成は動画ほどシビアではない。市販のものや、フリーウェアとして出回っているMP3エンコーダーソフトを使えば簡単につくることができる。HS400では128〜320kbpsに対応しているが、注意しなくてはならないのは「44.1kHzのCBR(固定ビットレート)」で生成するということ。設定を誤ってしまうと「HDDにコピーはできるが、HS400では再生できない」というファイルができあがってしまう。
ID3タグにも対応していて、再生時には曲名が表示される。クリアな音質でMP3を楽しむ場合には、内蔵されたFMトランスミッターか、あるいはAUX入力のあるヘッドユニットとジャンクションボックスを結線して使う。オススメはもちろん後者。高音質のファイルであれば、CDと変わらぬクオリティで堪能できる。