検察に無断で海外留学…起訴事実を認める

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2002年2月、兵庫県芦屋市内の国道2号線で、直進中のバイクが右折してきた乗用車と衝突。バイクを運転していた22歳の男性が死亡したという事故で、業務上過失致死罪に問われた22歳の女に対する初公判が13日、神戸地裁で開かれた。

被告は起訴事実を認めている。

問題の事故は2002年10月28日の夜に発生している。同日の午後8時30分ごろ、芦屋市上宮川町付近の国道2号線交差点で、直進していたバイクと右折しようとしていた乗用車が出会い頭に衝突した。

この事故でバイクを運転していた当時21歳の男性は頭を強打。事故から24日後に脳内出血が原因で死亡している。

乗用車を運転していた女は警察の取り調べに対し、当初は「対向車線に停車中のクルマの間をすり抜けるように進行してきた」と供述。バイク側の信号無視の可能性を示唆し、自分の側に過失が無いと主張していた。

しかし、女のクルマの後続を走っていたという事故の目撃者は「対向車線にクルマは停車しておらず、男性のバイクだけを見た」と証言。加えて「女が右折を開始した場所は自車線側の右折レーンではなく、対向車線側をショートカットするように早回りで右折しようとしていた」という供述も行われた。

これらのことから事故は単なる「右直事故」ではなく、実際には正面衝突に近い形で衝突していた可能性が高くなったという。

その後、女は2003年3月に業務上過失致死容疑で書類送検されたが、同年5月には海外留学を理由として、事件を担当した神戸地検尼崎支部には無断で出国。2004年2月まで帰国せず、その間は検察による取り調べがストップする状態となった。

遺族は大阪高等検察庁に対して担当検事の交代を申し立て、これが受理されて事件の担当が神戸地裁に移動。今年3月に業務上過失致死罪で起訴され、ようやく公判がスタートしている。

13日に開かれた初公判で、検察側は冒頭陳述で「被告の女は対向車線側の安全を十分に確認しないまま右折。青信号に従って直進していた被害者運転のバイクと自車を衝突させ、被害者の運転するバイクを被害者もろともはねとばした」と指摘した。

これに対して被告の女は「私に過失があったのかと言われれば、そうなのだろうと思う」と、曖昧ながらも起訴事実を認めている。

公判は今後も続き、次回は6月17日に行われる予定だ。

《石田真一》

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