鳥取県警は24日、違反幇助に当たる「重大違反そそのかし」とみなされて検挙され、免許取り消し処分を受けた人が、今年1月から4月だけで12人となり、昨年1年間の記録を早々とオーバーしたことを明らかにした。
運転者に対して同乗者が交通違反を行わせたり、違反行為と知りながらこれを止めさせようとしなかった、など。摘発を強化した結果だが、こうしたことで免許停止や取り消しになることを知らなかった違反者が大半だという。
これは鳥取県警・交通指導課などがまとめたもの。
「重大違反そそのかし」とは、道路交通法で規定された違反行為のうち、特に悪質とされる飲酒運転や無免許運転など、運転者が運転に適さない(運転してはいけない)状態であることを十分に認知しながら、運転者に対して運転を指示したり、強要した場合に適用される。
正式な違反名は「違反行為に対する下命、あるいは容認」となるが、運転免許を有している場合、運転者と同様に処分の対象となる。
2002年6月に改正道交法が施行された際に「ゴルフ場から帰る際に飲酒運転の摘発を受け、同乗者全員が罰金対象となり、100万円を支払うはめになった」という“都市伝説”は、この「重大違反そそのかし」が曲解され、流布されたものだ。実際にはかなり悪質な教唆をして、ドライバーに運転を強要しないかぎり、違反行為には取られない。
ただし、「絶対に違反扱いにならないわけではない」というのは、今回の鳥取県警の摘発結果が示すことになった。同県警では今年に入ってから下命・容認での摘発を強化。今年1月1日から4月30日までの間、違反行為の教唆や強要を行ったとして、運転免許証を持つ12人が累積点数によって免許取り消し処分となった。
これは昨年1年間の10人を、わすが4カ月間で追い抜いたことにもなる。こうした違反者の中には、自分が運転をしていたわけではないのに摘発対象となったことについて、少なからずの反発の態度を見せる者もいたという。
だが、県警では「飲酒状態をわかっていながら、運転者に運転を指示したり、強要するという行為が自らの違反と同義になる。運転免許証を持っているのなら、飲酒運転や無免許運転が違反行為に当たることは認識していなくてはならない」として、今後も同様の取り締まりを強化していくことを宣言している。