日本でもすでに『X5』はかなり浸透した商品だけに、『X3』というのはとてもわかりやすい。名前からしてX5の弟分的存在だから、どのくらいのデキなのかを想像しやすく、事実サイズ的にもX5よりわずかに小さいくらいだから(ここがポイント)、X5に比べて手ごろな感じがする。もうこれだけでじゅうぶんな商品力を持ちあわせているといえるだろう。
しかもX3は、その立ち位置が絶妙だ。X5やメルセデス・ベンツ『Mクラス』が作り上げたプレミアムSUV(BMWは“SAV”〜スポーツ・アクティビティ・ビークルというが)という世界を、その下のクラスで実現したからだ。名前を挙げられるライバルがいるとすれば、レクサス『RX330』(日本名:トヨタ『ハリアー』)くらい。その意味でも、やはり絶妙。
「このX3で新たなBMWユーザーを増やしたい」というのはBMWジャパンでX3のマーケティングを担当するシニア・プロモーターの林恵一氏。その狙いは、かなり当たるんじゃないか、とワタシは思う。
SUVは世界的ブームだが、その主役たちは日本の道路事情ではやや「過ぎた」サイズ感であるのも本音。X3はハリアー同様、そのあたりを上手くかわし、人気を得そうな予感がする。「X5やMクラスはデカ過ぎるけど、ハリアーじゃねぇ」という人は意外に多そうだし、ファミリーカーとしての1台を考えた場合にも広いリアシートなどが有効。そして極めつけはBMWのブランド力…まさに日本人の心をくすぐるプロダクトという印象だ。(つづく)