15日深夜、東京都国立市内の路上で、帰宅途中の男性が3人組の若い男に催涙スプレーを吹きかけられた上でワゴン車に監禁され、奪われたキャッシュカードなどで現金約300万円を引き出されて奪われる事件が起きた。
同様の事件が神奈川県内で発生しており、容疑者の一部がまだ逮捕されていないことから、警察では関連を調べている。
警視庁・立川署によると、事件が起きたのは15日の午後11時ごろ。国立市東付近の市道を39歳の男性が帰宅のために歩いていたところ、背後から接近してきた白いワゴン車から降りてきた3人組の若い男に取り囲まれた。
男たちは無言のまま男性に催涙スプレーを吹きかけると、そのまま車内に引きずり込み、手足をガムテープで縛って拘束。男性を車内に監禁してクルマを発進させた。
後部座席には2人の男が乗り込み、男性にスタンガン(高圧電流銃)を突きつけ、奪った財布からカード類を取り出し、暗証番号を教えるように迫った。男性はこれを拒否したが、男はスタンガンを数回使用。別の男が「正直に言わないと川に沈めるぞ」などと脅したため、渋々これを教えたという。
クルマは都心方向に向かって走り、男たちは途中のコンビニエンスストアに数回立ち寄り、店頭のATM(自動現金預払機)で数回に渡って現金を引き出し、残高が無くなった16日の午前1時30分ごろ、世田谷区大原の路上で男性を車内から蹴り下ろして解放。そのままクルマで立ち去った。
男性は近くの家に助けを求め、駆けつけた警察官に保護された。男性は催涙スプレーの直撃を受けた目と、スタンガンを押し当てられた腕に軽い怪我を負っている。
警察の調べによると、男性の銀行口座やクレジットカードのキャッシングからは合計300万円近くが引き出されており、新宿区や渋谷区内の比較的来店者が多い店舗を狙って、現金を引き出していた。警察では強盗致傷事件として逃げた男たちの行方を追っている。
同様の監禁事件は神奈川県横浜市内を中心に発生。7月になってから容疑者の一部が逮捕されているが、数人が今も逃走している。
東京ではこれまでに類似の事件があまり発生していなかったことから、警察では神奈川の事件との関連も視野に入れた捜査を行うとともに、コンビニエンスストアから任意提供を受けた防犯ビデオの映像分析を進めていく方針だ。