【新型ポルシェ911 海外試乗】その2 空力性能と軽量化を極めたボディ…河村康彦

自動車 ニューモデル 新型車
【新型ポルシェ911 海外試乗】その2 空力性能と軽量化を極めたボディ…河村康彦
【新型ポルシェ911 海外試乗】その2 空力性能と軽量化を極めたボディ…河村康彦 全 4 枚 拡大写真
フロントエンド……といっても、996型よりはやや後退した位置のこれまでよりはやはりやや外側寄りに“丸い目玉”を配した997のルックスは、ご覧のように「誰がどこから見ても」『911』にしか見えないもの。ただし、相変らず911にしか見えないというそんな997のボディは、まずは空力性能をフルモデルチェンジではないとできないレベルで改善しようと頑張ったボディでもある。

空気抵抗をできるだけ小さく抑えつつ必要なエアを効果的に取り入れるべく、各部のエアダクトは可能な限り短くかつ直線的にレイアウト。ラジエーター通過後のエアがこれまでの前輪前方への排出ではなくホイールハウス・シェル内に横向き排出されるように改められたのも、エアの流れの効率を上げるとともにフロントアクスルに作用するリフト力を低減させる工夫だ。

カレラGT用のアイテムをデザインコンセプトにしたというデュアルアーム式のドアミラーさえも、ダウンフォースの強化に貢献する。ミラーハウジングとデュアルアームの形状がフロントアクスルへのダウンフォースを生み出すとともに、サイドウインドウ沿いに乱れることなく後方へと進んだ気流がリアスポイラーに効果的に導かれ、リアアクスルのダウンフォースを強化する効果を生み出すというのだ。

安全性や快適性の強化など、時代の要請がもたらす重量増の動きに対して徹底した軽量化で臨んだのも997型の特徴。フロントフードのアルミ化やボディ骨格構造の見直し、ワイヤーハーネス量の削減やステアリングホイールの材質変更などにより、「先代モデルと殆ど変わることのない軽量さをキープした」というのが997型の大きな売り物でもある。

見た目の変化よりも機能性の進化が重要……一見では“目玉の変化が目玉”にも思える997型の新デザインのボディは、そんな思いで作られてきたものなのだ。(つづく)

《河村康彦》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. メルセデスベンツ『GLC』新型、インテリア先行公開…史上最大39.1インチディスプレイ採用
  2. マツダの新型SUV『EZ-60』すでに4万台の予約殺到! SNSでは「マツダ復権か??」「日本でも売るべき」など話題に
  3. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
  4. ホンダ『フリード』がニューレトロに!? ダムドが専用ボディキットのデザインを先行公開 発売は2025年冬
  5. ホンダの社員食堂、白いユニフォームでカレーうどんを金曜日に食べる理由
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る