ゴミ回収箱に人が入ることは予見不能

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男児がゴミの回収ボックス内に入り、それを知らずにゴミを回収した業者が男児を収集車内に投棄し、男児が圧縮装置に巻き込まれて死亡した事故で、男児の両親が自治体と収集業者を相手に損害賠償を求めた民事訴訟の判決が23日、東京地裁八王子支部で開かれた。

裁判所は「予見不可能」として、原告の請求を棄却している。

問題の事故は1998年8月に東京都多摩市で発生している。鉄製のゴミ回収箱(ダストボックス:高さ1.7m、幅1.3m)に当時12歳の男児が入って遊んでいたところ、これを知らずにゴミ回収に訪れた業者が男児が入った状態のボックスをクレーンで吊り上げ、底を開いて収集車のゴミ圧縮機に中身を投棄した。

男児はゴミと一緒に投棄されるかたちとなり、収集車に設置されたゴミ圧縮機に巻き込まれて死亡した。男児は多摩ニュータウン多摩清掃工場で遺体で発見され、ここで事故が起きたことが初めて発覚している。

男児がどのような経緯でダストボックス内に入ったのかについては、目撃者が存在しておらず、現在も謎のままだ。

男児の両親は多摩市とゴミの回収業者が「収集時の安全確認を怠った」として、総額4300万円あまりの損害賠償を求めて東京地裁八王子支部に提訴。

被告側は「ダストボックスに子供が入っているとは予見不能で、通常の安全確認の範囲を超えている」として全面的に争っていた。

23日に行われた判決で、東京地裁八王子支部の小林敬子裁判長は「ダストボックス内に人が入りこんだと作業員が予見することは不可能で、今回の件は異例の事態に相当する」と判断。

「通常の安全確認の範囲を超えた」という被告側の主張を認め、原告の請求を棄却した。原告側は控訴するとみられている。

《石田真一》

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