8月29日、群馬県太田市で盗難車に乗った男が、職務質問を行おうとした機動捜査隊の警官2人に向けてクルマを発進させ、危険を感じた巡査長が拳銃を威嚇発砲する事件が起きた。
男は公務執行妨害の現行犯で逮捕されている。
群馬県警・機動捜査隊、同・太田署によると、事件が起きたのは8月29日の午後1時25分ごろ。太田市東長岡町付近の県道をパトロールしていた機動捜査隊のパトカーが、約1週間前に利根郡内で盗まれ、盗難届の出されていた乗用車を発見。
パトカーの警官はただちに停止するように命じた。しかし、クルマはスピードを上げて逃走を開始した。
約10分後、クルマは太田市本町3丁目付近の袋小路に入ったが、進路が無くなったことに動揺したのか、道路左側にある民家の柱に衝突。直後にパトカーがこれに追いつき、乗っていた2人の警官は運転していた男に対し、すぐに車外へ出てくるように迫った。
だが、男はこれを無視。クルマをバックで発進させてパトカーに体当たりを行い、これを抑止しようとした警官に対してもクルマをぶつけるような素振りを示した。
これに危険を感じた31歳の巡査長が、「止まれ」と警告した後に上空へ向けて拳銃1発を発砲。男がひるんだ隙に37歳の巡査部長が警棒でガラスを叩き割るなどしてドアを開けて男の身柄を確保。公務執行妨害の現行犯で逮捕した。
逮捕されたのは24歳の男で、警察の調べに対しては「無免許の発覚が恐れて逃げた」と供述している。クルマが盗難車であることから、警察では窃盗容疑でも調べを進める方針だ。