トンネル内でのパンク修理にも一定の事故責任

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今年8月、兵庫県赤穂市内の山陽自動車道上り線で、トンネル内で停車してパンクしたタイヤの交換作業を行っていた乗用車に後続の大型トラックが激突、幼児3人を含む5人が死亡した。

この事故について、兵庫県警は14日、トンネル内に停車する判断を行った運転者3人を業務上過失致死傷と道路交通法違反(故障車両表示義務違反など)の容疑で書類送検した。うち1人は事故によって死亡しており、被疑者死亡での送検となる。

兵庫県警・高速隊によると、問題の事故は8月7日に発生している。同日の午前6時ごろ、赤穂市木津付近の山陽自動車道上り線・高山トンネル(全長1378m)の内部で、走行車線でパンクしたタイヤの交換作業を行っていたクルマに、後続の大型トラックが減速せずに激突した。

クルマは大破。後部座席に乗っていた幼児3人を含む5人が死亡した。また、クルマは衝撃で燃料タンクも破損。これに引火して激しく炎上し、トンネル内に取り残されて走行不能になったクルマの乗員など9人が煙を吸い込み、喉に炎症を起こすなどの軽傷を負っている。

大型トラックを運転していた31歳の男は過労が原因で事故当時に居眠りしていたことを大筋で認め、業務上過失致死傷と道路交通法違反(過労運転)で逮捕・起訴されており、この運転手が勤務していた運送会社の社長と運行管理者の2人も道交法違反(過労運転の下命)で逮捕された。

警察では事故の主原因を「大型トラック運転手の過労を発端とした居眠り運転」としてきたが、その一方で「トンネル内で停車を強行した乗用車の運転手にも一定の責任は生じる」というスタンスでの捜査も続けてきた。

現場となった高山トンネルには約60cmの路肩が設置されているが、全幅が180cm近いクルマが本線を走る車両に支障を与えることなく安全に停車できるスペースではない。また、タイヤがパンクしているとはいえ、低速走行を続ければトンネル外に脱出することも決して不可能ではなかったことが事故当初から指摘されていた。

また、トンネル内に停車した際にはハザードランプを点灯させるのみで、停止表示板の設置を怠るなど安全上必要な措置を取っていたとはいえないことなどを考慮。死亡した1人を含む3台の運転者3人を業務上過失致死傷と道交法違反で書類送検した。

《石田真一》

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