暴走族から上納金、元組員に実刑判決

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自分の所属する暴力団の縄張りと主張するエリアで暴走族の活動を容認する見返りとして、メンバーから走行料という名目の現金を上納させていたとして、宮城県暴走族根絶条例違反(金品収受の禁止)などの罪に問われた25歳の男に対する判決公判が15日、仙台地裁で開かれた。

裁判所は男に対して懲役2年4カ月の実刑判決を言い渡している。

起訴状によると、この男は岩沼市を拠点とする指定暴力団で組員として活動していた2003年5月から今年4月までの間、同市内を拠点とする暴走族グループのメンバー3人に対して「うちの組の縄張りで走ることを認めてやるから、その代わりに走行料を納めろ」と強要。

1カ月あたり1人2000円の上納金を受け取っており、仙台市などを拠点とする暴走族が岩沼市内に入ってきた場合、ビジター料と称して1台当たり4000円を徴収していたとみられる。

組員は現金を受け取る代わりとして、走行を容認するとともに、「トラブルが起きた場合には暴力団がバックにあることを宣言しても構わない」と、面倒見的な立場にいた。また、こうした上納金の納付を怠った場合には「グループを潰す」とも脅していた。

逮捕のきっかけとなったのは、この男が後輩の組員に対して今年3月、「勝手に組を抜けようとした」などと言いがかりをつけて暴行。現金50万円を奪ったとされる事件で、この事件の捜査中に暴走族からの金品提供も明らかになった。

宮城県では2003年5月に施行された宮城県暴走族根絶条例で、暴走族メンバーから金品の収受を禁止している。男の逮捕はこれの適用第一号となった。

15日に行われた判決公判で、仙台地裁の畑中英明裁判官は「金品を受け取る代わりとして暴走族の活動を容認するという行為は、暴走行為を助長することでもあり、社会的に看過できない」として、検察側の主張をほぼ認め、懲役2年4カ月を命じている。

《石田真一》

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