【CEATEC JAPAN2004】なるほど!! 『送っとケータイ』の仕組み

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【CEATEC JAPAN2004】なるほど!! 『送っとケータイ』の仕組み
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既報のとおり、10月5日から開催されているCEATEC JAPAN 2004で日産自動車とNTTドコモが連携する新サービス「送っとケータイ」が展示されている。

送っとケータイでは、以前からあるカーナビ向けiモードサービス「iナビリンク」とはまったく異なる形で、クルマとケータイの連携を実現している。今回はその仕組みを順を追いながら見てみよう。

送っとケータイは次のようなステップでサービスを実現している。

ステップ1)
ユーザーがAuto DJの「送っとケータイ」チャンネルを選択すると、カーウイングスセンターにクルマの現在地位置、カーナビに設定された目的地位置、経由地などが送信される。

ステップ2)
送信された情報の中から、クルマの現在地、カーナビで設定した目的地、経由地、ユーザーが登録した携帯電話のキャリア情報、車の方向、個人情報が特定できないユニークユーザーIDを カーウイングスセンターからコンテンツプロバイダーに転送する。

ステップ3)
コンテンツプロバイダーが送られた情報を元に、各ユーザー向けに地図やタウン情報を盛り込んだページを作成。ユーザーに作成したページに接続するためのメールコンテンツを生成する。例えば、送っとケータイのスタート時から参入するコンテンツプロバイダー「ぐるなび」と「ゼンリンデータコム」では、それぞれ現在地周辺の飲食店情報(GPSリンクサービス同様)、目的地周辺の地図を提供する。

ステップ4)
コンテンツプロバイダーが作成したユーザー専用ページ接続用メールは、コンテンツプロバイダーからカーウイングスセンターに転送される。その後カーウイングスセンターから、ユーザーが事前に設定したメールアドレスにメールが送信される。

ステップ5)
ユーザーはクルマから降りたら、メールに記載されたURLアドレスに接続すれば、目的地周辺の地図やタウン情報がケータイで見られる。

このように送っとケータイのサービスでは、カーウイングスとiモードのコンテンツプロバイダーが密接に情報のやりとりをする事で、クルマから降りたらケータイがナビゲーションを引き継ぐようなサービスを実現している。

さらにクルマ側から提供された目的地情報にコンテンツプロバイダーが独自のタウン情報を載せられるので、その部分で差別化競争もできる。

当初のコンテンツは「ゼンリン携帯マップ」(株式会社ゼンリンデータコム)と、「ぐるなび」(株式会社ぐるなび)のふたつだが、コンテンツプロバイダーの新規参入には日産、ドコモとも積極姿勢だ。

「iモードの公式コンテンツプロバイダーであれば、積極的かつオープンにパートナーシップを結びたい」(日産自動車説明員)

 「iモードのコンテンツリソースをクルマで活かしてもらうため、日産自動車とコンテンツプロバイダーに対して、ノウハウの提供やサービス化の助言など、様々な形でサポートしていきたい」(NTTドコモ説明員)
 
日産とドコモが実現した「送っとケータイ」の仕組みは、ユーザーとコンテンツプロバイダーのメリットを明確化した点で、クルマとケータイ連携の世界に大きく踏み出している。第一段階で実現されるのは実用的なサービスだが、今後、街のエンタテイメント情報を盛り込んでいくことで、様々なニーズに対応する「タウンガイド」をクルマとケータイの両方を使って実現できるだろう。

また携帯電話のコンテンツ課金はユーザーに広く受け入れられているため、テレマティクスではなかなか浸透しなかった有料コンテンツのビジネスも実現できるだろう。クルマでしか利用できないコンテンツに利用料は払いにくいが、クルマとケータイの両方で利用できるコンテンツならば月額数百円の利用料は払ってもよいと考えられる可能性は高い。

《神尾寿》

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