日産から発売された新型高級セダンの『フーガ』。フーガには今まで国産車のオートマチックにはなかった、ある意味斬新な機能がある。それは9月に小変更を行った『フェアレディZ』にも先に採用されている、シンクロレブコントロール。
これはマニュアルモードで走行中にシフトダウンを行った際に、一瞬空吹かしが行われ回転を合わせるというものだ。通常マニュアル車で減速しながら、一瞬クラッチを切り、その間にアクセルをあおってエンジン回転を高め回転を合わせる、ヒール&トゥと呼ばれるテクニックに近い動作をシステムが行ってくれるものだ。
アルファロメオのセレスピードなど、マニュアルミッションがベースの2ペダル車なら、このような空吹かしを行ってくれるシステムは多いが、トルコン式ATでエンジン回転を合わせてくれるシステムは、アウディ『S4』など一部の欧州車に装備されるだけで、世界的に見てもまだ数は少ない。
このシステムを採用することで、シフトダウンに要する時間は最大で40%も短縮され、シフトダウン時には回転が上がっているので、シフトダウン時の変速ショックも少なくなる。なによりも、エンジンを空吹かしをした時の音がレーシーで心地よい。
オートマチックのマニュアルモードは、とかく使われなくなってしまうことが多いが、このシンクロレブコントロールが付いていれば、思わず使いたくなるに違いない。