苦肉の省エネ案…SUV税にナンバー規制

エコカー 燃費
苦肉の省エネ案…SUV税にナンバー規制
苦肉の省エネ案…SUV税にナンバー規制 全 2 枚 拡大写真

イタリアでも燃料価格高騰が日々深刻になっている。ある調査では、このままだと昨年に比べ1家庭あたり年間516ユーロ(約7万円)多い出費となるという。そこで全体の消費量を少しでも減らすべく、担当閣僚から様々なアイディアが浮上している。

【画像全2枚】

まず7日、ルナルディ運輸・公共設備大臣から提案されたのは、「ナンバーによる走行日規制」だ。偶数ナンバーと奇数ナンバーによって、市街地を走れる日を分けるというものである。

実はこの案、70年代のオイルショックで実施されたことがある。しかし、この国では複数台を所有する家庭が多い。当時を知る人によれば、車庫からもう1台を引っ張り出して乗る家庭が多く、街のクルマが半減するまでの効果は到底なかったという。

もうひとつ飛び出した案が「SUV税」だ。イタリアでSUVは、1999年−昨年の5年間で31.3%の売り上げ増を記録した成長市場。マッテオーリ環境大臣はこれに目をつけた。「より燃費が悪く、公害を出すクルマに、より多く課税するのは当然」として、SUVの年間自動車税か車検法定費用に特別税を加えようというアイデアだった。

これに対して、さっそく反対の声を上げたのは、ドイツや米国のSUVメーカーのイタリア法人だった。あるメーカーは「今日のSUVは昔の四駆と違う。ディーゼル仕様でさえ公害は低く抑えられている」と怒った。

別のメーカーは「わが社のSUVはABS、ESPなど安全装備を標準装着している」として、「それらをいまだ標準装備しない小型車の安全性を問題にするほうが先ではないか」と抗議した。

幸いこの「SUV税」は先週1週間も経たないうちにお蔵入りとなった。しかしドライバーは次はどんな奇案が飛び出すか恐れながら、朝のテレビニュースを点ける日々が続いている。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

【注目の記事】[PR]

レスポンス公式TikTok

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 分割式で取り付け簡単、MAXWINの金属製スノーチェーン「K-TIR08」発売
  2. 日産、小型ミニバン『グラバイト』予告…2026年インド発売へ
  3. 驚くほど広がる後方視界、ホンダ「Nシリーズ」専用「リアビューミラー&カバー」が発売
  4. 【BMW 2シリーズグランクーペ 新型試乗】今、日本にちょうどいいBMW…中村孝仁
  5. 【クルマら部】クルマ愛クイズ!今回は「スズキのバイク」に関する全4問!
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る