【新型BMW M5 海外試乗】その1 現代に解釈された羊の皮を被った狼…河村康彦

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【新型BMW M5 海外試乗】その1 現代に解釈された羊の皮を被った狼…河村康彦
【新型BMW M5 海外試乗】その1 現代に解釈された羊の皮を被った狼…河村康彦 全 6 枚 拡大写真

1970年代に世界のサーキットで活躍したBMWのさまざまなモータースポーツ用モデル。それをプロデュースしたのがBMWモータースポーツ社だ。その血統を受け継ぎつつさらに進化したハイパフォーマンスモデルや、オーナーのニーズに応えるテーラーメイドカーの生産を担当するのがBMW直系の関連会社として1993年に設立された『BMW M社』。新型M5はこのM社が世に送り出す最新の作品。ベースとなったのは予想通りに最新の5シリーズセダンだが、それでも「一部の操作系などにはM社のポリシーとして、BMWブランドのモデルとは異なったデザインを採用」とのコメントが開発陣から聞かれるなど、“別メーカー”として独立性を強く主張する部分が見られるのはユニークなところだ。

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「普通の顔をしたセダンに、強力な高性能エンジンを移植」という考えをもとに1984年に誕生した初代『M5』。そうしたコンセプトは、最新のM5にも脈々と受け継がれている。

面積を広げたフロントの開口部にファットな19インチシューズ、さらには4本出しのテールパイプを採用するなど、見る人が見ればもちろん新型M5が際立った高性能車であることは容易に想像が付くだろう。が、さほどクルマに詳しくない人からすれば、このクルマのルックスは、「どこか化粧がちょっと派手なセダン…」とその程度としか感じられないかも知れない。

インテリアも同様で、オリジナル5シリーズの素性を生かしたそのデザインは、その気になれば“ショーファードリブン”としてさえじゅうぶんに通用しそうなラグジュアリーぶり。少なくとも、何も知らされなければ10気筒などという仰天の心臓を積むとは到底予想は付かない。そんなサプライズもまた、このクルマならではの特徴ということになる。(つづく)

《河村康彦》

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