ダイムラークライスラーブースでは、同社が研究開発を進める車車間通信のデモンストレーションが行われていた。車車間通信によって、前方の状況を後方に伝達し、それによって渋滞回避や、緊急車両の通過を円滑に伝達しようというものだ。
ダイムラークライスラーが考えるところの「車車間通信のメリット」は、交通安全はもちろん、交通の円滑なマネージメントにある。
つまり、前方の渋滞情報などを車車間通信によって取得し、これを早い段階で後方に次々と伝達していくことで、交通の流れを円滑にする。
また、クルマに不具合や故障が生じて立ち往生した場合、その状態を周囲のクルマにアピールして、故障車が前方にあることを認知させて二次災害の発生を防いだり、ロードサービスに位置を通報して救援を要請する。
道路を文字通り「情報ネットワーク」と進化させ、クルマ自体も情報伝達の一手段とすることで、ドライバーに掛かる負担を低減する狙いがある。
ただし、これらは現状では机上での開発レベル。同社の狙いは欧米や日本での標準化だが、無線方式やその周波数をどうするのかなど、越えなくてはならない課題は山積している。