同乗者を焼き殺した自動車窃盗犯に懲役12年の実刑判決

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盗難したクルマを運転していたとして、パトカーの追跡を受けている最中に事故を起こし、逃走が困難になったことを悟ってクルマに火を放ち、同乗していた男性を死亡させたとして、殺人や窃盗などの罪に問われた22歳の男に対する判決公判が11日、函館地裁で開かれた。

裁判所は被告に対し、懲役12年の実刑判決を命じている。

問題の事件は今年3月29日に発生。同日の午前2時ごろ、八雲町内をパトロールしていた北海道警・函館中央署のパトカーが盗難手配の出ている軽自動車を発見。停止を命じたが、これに従わないため、ただちに追跡を開始した。

軽自動車は国道5号線を約15分間に渡って逃走したが、パトカーに前後を挟まれたことを嫌い、強引に追い抜きを掛けた際に運転を誤って電柱に激突。横転したまま約10m滑走して停止した。

クルマを運転していた男は横転したクルマの車内に留まり、投降を呼びかける警察官の指示には従わないという姿勢を見せていたが、タンクから漏れてきたガソリンが自分の近くまで流れてきたことに気づき、ライターで火を着けるなどして放火。直後にクルマは猛烈な勢いで燃え上がった。

警官が乗っていた2人を慌てて救助したが、助手席側に乗っていた男が全身やけどを負って死亡。運転していた男も高温の煙を吸い込む重傷を負ったが、後に殺人や窃盗容疑で逮捕・起訴されている。

男はこれまでに「逮捕されて刑務所に送られるなら、同乗者を道連れにして死んだ方がマシだと思った」などと供述していた。

11日に行われた判決公判で、函館地裁の園原敏彦裁判長は「生きたまま焼かれ、全身に大ヤケドを負った後に死亡した被害者の苦痛は想像を絶する。他者の生命の重さを省みない自己中心的で冷酷、かつ短絡的な犯行で、刑事責任は重大だ」と指摘。被告に対して懲役12年の実刑判決を命じた。

《石田真一》

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