アメリカのIIHS(高速道路安全のための保険会社機構)のレポートによると、近年の改善にもかかわらず、事故の際にムチ打ちを防げるシートは今のところ皆無だという。
IIHSによると、アメリカ国内のクルマの半数以上が事故の際に首を充分にサポートしておらず、ムチ打ちのための治療費用は保険会社に年間70億ドルの支出を余儀なくしている。
IIHSがテストを行ったのは73の車種のシートとヘッドレストで、20マイル/h(=32km/h)での衝突実験の結果、ドライバーなどにかかる首の負担をリサーチしたもの。
スコアがもっとも良かったのはボルボ『S40』、『S60』、『S80』、サーブ『9-2X』、『9-3』、ジャガー『Sタイプ』で、評価は「良好」。またシボレー『マリブ』、スバル『アウトバック』も「容認できる」で、フォード『フォーカス』、『ミニクーパー』は「平均」。その他のモデルはすべて「ワースト」評価だったという。
サイドエアバッグなどが搭載されても、事故でもっともポピュラーな怪我であるムチ打ちを防ぐのは至難の技のようだ。