【新型ポルシェ ボクスター 海外試乗】その2 一新されたインテリア…河村康彦
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ヒップポイントが下げられて頭上高が増し、フロントセクションの骨格変更で足もとの空間が拡大されたのも新型の特徴。「とくに大柄な欧米人などから『室内空間がちょっとタイト』との注文が出た」とは担当エンジニア氏の弁。これまでテレスコピック調整のみだったステアリングコラムにチルト調整機能が加わり、ドライビングポジションの調整の自在度が増したのはすべての人に喜ばれそうなポイントだ。ドアトリム上部には「オープンカーでは世界初」というヘッドエアバッグも標準装備。フロントにエンジンを搭載しないボクスターは、当然、新型モデルも極めて高い前突時の安全性を確保しているはず。初期モデルでは存在すらしなかったグローブボックスは、さらに容量を拡大して今回は6.5リッターに。最初からやってくれればよかったのに…。
いっぽう、日本での実用上ちょっと困ってしまいそうなのが“折りたたみにくいドアミラー”。「こうやればできるよ」とボディ担当エンジニア氏が教えてくれたのは、スプリングに逆らってミラーを倒し、内部から現れた“つっかえ棒”でその状態をキープするという方法。そうはいってもこれではいちいちクルマから降りないと操作ができない。自らの側は着座状態でも倒すことが可能だった従来型に比べると、これだけは“退歩”といわざるを得ないように思う…。(つづく)
《河村康彦》