死亡ひき逃げの男、捜査が及んだことを悲観して自殺

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高知県警は3日、春野町内の国道56号線で死亡ひき逃げ事故を起こしたとして指名手配されていた55歳の男が、香川県内で自殺を図り、遺体で発見されていたことを明らかにした。警察ではさらに捜査を続け、被疑者死亡で男を書類送検するとしている。

高知県警・土佐署、香川県警・観音寺署によると、問題の死亡事故が起きたのは11月27日の午前3時40分ごろ。

春野町弘岡中付近の国道56号線を通り掛ったクルマの運転者から「路上に人が倒れている。クルマにひかれたようだ」との110番通報が入った。同署員が現場に急行した際、男性は頭など著しく損傷しており、すでに死亡していた。

同署では死亡ひき逃げ事件として捜査を開始したが、約1時間後の午前4時ごろに同町内に在住する60歳の男性が「何か踏んだかもしれないと思い、戻ってきた」と現場で名乗り出た。

しかし、この男性が運転していたクルマには衝突痕が見当たらないことや、遺体の頭部などが坐滅している状況などから「車重のある大型車両に踏まれた可能性が高い」と判断。男性は事故の直後に現場を通過したことがわかった。

警察では事故が起きた時間帯に現場付近を通過した大型トラックの割り出しを進めたところ、香川県内にある運送会社が所有するトラックが事故の前後に通過した可能性が高いことが判明。

同署が捜査員を派遣して調べたところ、該当するトラックのバンパーから死亡した男性と同じ血液型の血痕を検出した。

このため、同署では事件当日にこのトラックを運転していた55歳の男が事故を起こしたものと判断。任意による事情聴取を行うため、1日夜に男へ連絡を取り、警察に出頭するように促した。しかし、男はそのまま逃走。以後の足取りがわからなくなっていた。

同署では指名手配を行い、この男の行方を追っていたが、3日午後までに香川県警・観音寺署が大野原町内の駐車場で男の所有する軽自動車を発見。職務質問を行うために近づいたところ、車内に男が倒れているのも発見した。

車内には練炭が置いてあり、男はすでに死亡していた。捜査の手が及んだことを悲観し、一酸化炭素中毒による自殺を図ったものと推測している。

警察では男を被疑者死亡のまま、業務上過失致死と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で書類送検する方針だ。

《石田真一》

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