愛知県警は9日、走行中のクルマに体を故意に接触させ、慰謝料などを名目に現金を要求する「当たり屋」行為を行っていたとして、70歳と71歳の男を詐欺未遂容疑で書類送検した。余罪についても追及する方針だ。
愛知県警・西枇杷島署によると、詐欺未遂容疑で逮捕されたのは甚目寺町に在住する71歳の男と、美和町に在住する70歳の男。
この2人は共謀し、7日の午後6時10分ごろ、新川町須ケ口付近の町道(幅員3.7m)を低速で走行していた31歳女性の運転する乗用車のサイドミラー部分に故意に腕を接触。この女性に対して慰謝料名目で現金を請求した疑いが持たれている。
2人はこの女性に対して「あんたの運転が下手だから当たってケガをした」、「痛くてたまらない」、「どうしてくれるんだ」などと矢継ぎ早に怒鳴りつけ、女性が萎縮するような態度を示すと「今の気持ちでいい、あんたいくら持っているんだ?」などと、具体的に現金を要求した。
騒ぎを聞きつけた近所の住人が家から外に出てきたが、このうちの1人の男性が同町内で高齢男性2人組による当て逃げ事件が8月と10月に起きていたことを思い出し、過去に同様の被害を受けた66歳の男性に電話を掛けて現場に呼び出した。
男性は仲裁するふりをして時間を稼ぎ、被害男性が到着するのを待った。現場に訪れた被害男性は、自分が接触事故を起こしたと言いがかりをつけて現金を騙し取った2人と顔が酷似していることを確認。別の住人に依頼して警察に通報した。
2人の男は現場に警察官が駆けつけると逃走しようとしたが、過去の被害者が「あの2人に間違いない」と断定したことによって、警察官は2人を当たり屋と判断。詐欺未遂の現行犯で逮捕している
警察での取り調べに対し、2人は容疑を大筋で認めているという。このために同署では2人を詐欺未遂容疑で書類送検し、余罪についても調べる方針だ。