ボルボ『XC70』ノルディックエディションに搭載されるエンジンは、ベースとなるXC70から変更はないが、改めて雪道で試乗すると新たな発見もあった。
直列5気筒の2.5リッターライトプレッシャーターボは、低い回転から過給を始めてくれるので、ターボを意識させないフィーリングが魅力。それでいながら、アクセルを踏み込んだときには32.6kgmの最大トルクが、力強くクルマを押し出してくれる。
今回は雪道での試乗ということもあり、ほとんどの状況でアクセル開度は40%にも満たない程度で走ったが、それでもライトプレッシャーターボが、あらゆる場面でゆとりあるトルクを提供してくれた。
乾いた路面だと自然に回転が2000rpm前後まで上がっていることが多いが、今回は雪道ということもあり、使用している回転は1500rpm前後と低かったが、それでもアクセルを開けるとターボの過給による加速を味わえる。
トルクが自然に立ち上がってくれるので、雪道でも前輪が空転することは少なく、空転しても瞬時に後輪にトラクションが配分されるので、クルマの挙動が不安定になることもなかった。
試乗の途中では80kmほど雪の高速道路も走ったが、そのときにはクルーズコントロールをセット。加減速はステアリングのスイッチで行なったが、低い回転を維持しているにも関わらず、速やかに増速することができた。
また、シートの作りこみのよさも魅力。ノルディックエディションには本革シートが特別装備されるが、この大きなシートに身をゆだねれば、ロングドライブでも疲れは少ない。雪道の長時間にわたる試乗でも緊張感を強いられずにいられたのは、ボルボの安全性能が高い次元でまとまっていることを実証した格好だ。