トヨタのラグジュアリーブランド、レクサスが誕生して15年以上。昨年レクサスブランドはアメリカ国内で11%の販売増を記録、ラグジュアリーブランドとしてナンバーワンの地位を築いた。
しかし、レクサスの特徴と言えば、ライバル(BMW、メルセデスベンツ)などと比較すると価格が低めに設定されていることや、騒音が少ないなど機能面が優れていること。そのためアメリカでは「レクサスはクルマというよりアプライアンス(家電製品)」といった評判もある。
つまりレクサスに欠けているのは「走りへの情熱」であり、現在アメリカで競争が激化している「ハイパフォーマンススポーツ」なのだ。
そこで話題となっているのが、レクサスはメルセデスベンツのAMGやBMWのMシリーズのような、パフォーマンスを売りとしたブランド内ブランドの立ち上げを計画しているのでは、という点。
中でも、若者をターゲットとしたパフォーマンスカーの分野に注目が集まっている。実際、現在『IS』を購入する人の平均年齢は29歳だという。また、新型の『GS300』がAWD(4WD)オプションをつけている事も見逃せない。AWDオプションは若者をひきつけるためには欠かせないアイテムだ。
レクサスでは現在新ブランドについて肯定も否定もしていない。しかしアメリカのトップラグジュアリーブランドの地位を守り、ライバルBMWやインフィニティ(日産)などとの競争に打ち勝つためには、ハイパフォーマンス&若者向け、というコンセプトを体現するブランド内ブランドは有効、との見方がきわめて強い。