事故で足止めされた受験生を乗せ、パトカーが走る

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8日、広島県東広島市内の山陽自動車道で、路線高速バスがトレーラーに追突した。事故によって、この日の午前10時から広島市内で大学受験を受ける予定だった18歳の男性が足止めされたが、パトカーが男性を試験会場まで送り届けたという。

広島県警・高速隊によると、事故が起きたのは8日の午前8時30分ごろ。東広島市高屋町宮領付近の山陽自動車道下り線で、本四バス開発が運行する路線高速バス(因島発、広島バスセンター行き)が、前走する大型トレーラーに追突。前部を大破させる事故が起きた。

当時このバスには乗客乗員32人が乗っていたが、通報を受けて駆けつけた高速隊の隊員に対し、乗り合わせていた18歳の男性が「救援のバスを待っていると大学の入試試験に間に合わなくなる」と告げた。

隊員は高速隊の隊長に対してどのように扱うかを照会。この結果、「パトカーで緊急走行し、試験会場まで送り届けろ」という即時判断がなされ、男性を乗せたパトカー1台がサイレンと赤色灯を使用して走行。

試験会場には午前9時50分に到着。午前10時の試験開始には間に合ったという。

事故の原因については、50歳のバス運転手の前方不注意が原因とみられ、シートベルト未着用で乗車していた32歳の女性など4人が打撲などの軽傷を負っていることから、警察では業務上過失傷害容疑でこの運転手から事故発生の状況について事情を聞いている。

今回の措置について、高速隊では「事故発生の責任は受験する男性に関係無く、男性も被害者の一人といえる。現場から連絡を受けた段階で緊急案件と判断し、例外的ではあるがパトカーで送り届けることを指示した。議論はいろいろあると思われるが、最善の措置だったと信じている」とコメントしている。

《石田真一》

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