自転車同士の衝突事故で禁固刑を求刑

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自転車同士が正面衝突して1人が死亡した事故で、重過失致死罪に問われた40歳の男に対する初公判が21日、福岡地裁で開かれた。被告は起訴事実を全面的に認め、傍聴していた遺族に対して謝罪している。

問題の事故は2004年5月13日未明に発生した。同日の午前0時30分ごろ、福岡市中央区平尾付近の市道で自転車同士が衝突。乗っていた人が路上に投げ出された状態で発見された。

一方の当事者である27歳の男性は病院に収容されたが、頭を強打したことが原因で間もなく死亡。

もう一方の当事者である39歳(当時)の男も頭を強打しており、一時的な記憶喪失の状態に陥っていたため、道路交通法違反(酒気帯び運転)の適用は見送られたが、無灯火および道路右側を走行していたことは重い過失に当たると判断。重過失致死罪で起訴されていた。

21日に福岡地裁で行われた初公判で、被告の男は起訴事実を全面的に認め、さらには傍聴席に臨席していた遺族に向かって「謝って済むわけではありませんが、申し訳ありませんでした」と謝罪した。

検察側は冒頭陳述で、被告は無灯火の自転車で道路右側を約15km/hの速度で走行していたこと。しかも事故の直前は雨を避けるために前傾姿勢となり、ほとんど前を見ない状態で走っていたことを明らかにした。

その上で「被告は安全配慮を欠いた無謀な運転をしていた」と結論づけ、裁判所に対して禁固1年6カ月の有罪判決を求めた。

これに対して弁護側は、死亡した男性も携帯電話を使いながら走行していたことを指摘。「一歩間違えれば、死亡した男性と被告の立場は逆転していた可能性もある。一罰百戒とはいえ、禁固刑は被告男性に対してあまりにも過酷」として、裁判所に情状を酌量した上、罰金刑に留めるように求めた。

《石田真一》

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