栃木県警は28日、道路脇の側溝に被せられた金属製のふた(グレーチング)を盗み、古物買い取り業者に持ちこんで売却していたとして、佐野市内に在住する36歳の男を逮捕した。
栃木県警・佐野署によると、グレーチングを盗んだ容疑で逮捕されたのは、佐野市内に在住する36歳のトラック運転手の男。この男は今年1月30日の正午ごろ、佐野市越名町内の市道に設置されていたグレーチング9枚(時価6万円相当)を盗んだ疑いがもたれている。
現場は土地改良区域内にあり、普段の交通量が少ないこともあり、道路管理者の佐野市が被害に気がついたのは2月に入ってから。その後の捜索でこれらが市内の古物買い取り業者に持ちこまれていたことが判明。その記録から男の存在が浮上した。
佐野市内では3月に入ってからも市内各所でグレーチングが盗まれる被害が相次いでいる。今回盗まれたものを含め、1枚あたりの重量は50-100kgに及び、一人で持ち運びすることは困難なことから、集団による犯行説が根強い。
盗まれたグレーチングには良質な鉄が使われている。ここ最近は鉄材の価格が高騰している状況なので、これを廃材業者に転売することで1枚数千円の利益が出る。このため、北関東を周辺に盗難の被害が相次いでいるのだ。
警察の取り調べに対し、逮捕された男は「消費者金融に多額の借金があり、これを返済する目的から単独で行った」と供述しているが、グレーチングを転売することが利益になるのを知っていたことなど、不透明な点が多い。
このため、警察では3月の事件も含め、男を含む複数人が犯行に及んだ可能性もあるとして、男を厳しく追及。事件の全容解明を急ぐ方針だ。