おれおれ詐欺の稼ぎ、暴力団に流れる

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警視庁と群馬県警は5日、親族が交通事故を起こしたと偽り、現金の振り込みを要求する振り込め詐欺(おれおれ詐欺)に関与していたとして、愛知県名古屋市を本拠とする指定暴力団山口組系貝本会の本部事務所などを恐喝容疑で家宅捜索した。

実際に犯行を行っていたのは下位団体だが、上納金というかたちで騙し取った現金が流出していた可能性が高いという。

警視庁と群馬県警の合同捜査本部によると、恐喝容疑で家宅捜索を受けたのは指定暴力団山口組系の2次団体で、名古屋市内を本拠とする貝本会の本部事務所など数カ所。

調べによると、貝本会の下位組織にあたる貝本会2代目貝健一家の組長(恐喝容疑で逮捕・起訴)が、構成員に対して「最近はシノギ(稼ぎ)が厳しい。各自頭を使って稼げ」などと指示。

これを受けた同一家の幹部である24歳の男が、いわゆる振り込め詐欺で現金を騙し取ることを思い立ち、2004年の秋ごろから犯行を開始した。

この男の直接の逮捕容疑は2004年9月に起きた事件。

この際には東京都内に在住する40歳代の女性に「あなたの娘が交通事故を起こした」と電話を掛け、「事故で親分のクルマが壊れた。修理代を用意しないと組に連れてきた娘を売り飛ばす。殺してもかまわない」などとも告げ、現金約650万円を脅し取った疑いが持たれている。

これまでの同種の事件とは違い、暴力団の存在を匂わせ、直接の危害を加える旨の言動を行っていたことから、警察では振り込め詐欺事件としては異例の恐喝容疑を適用。関与した暴力団の洗い出しを進めていたが、今年1月までに容疑に直接関与した男を含む5人を逮捕した。

捜査の過程で、一連の事件で騙し取った約1億6000万円の大半が上位団体に流れた可能性が浮上。暴力団が組織的に振り込め詐欺に関与し、これを組の収益としている疑いが強まったことから、全容解明には上位団体に対する家宅捜索が必要と判断され、今回の実施が決定している。

《石田真一》

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