北海道・江差のタイヤ脱落事故で実刑判決

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2004年、北海道で大型ダンプトラックのタイヤが脱落し、この直撃を受けた2人が死傷した事故で、業務上過失致死傷と道路運送車両法違反などの罪に問われた63歳の男と、この男が経営する会社(法人)に対する判決公判が5日、函館地裁で開かれた。

裁判所は被告の男に禁固2年と罰金40万の実刑を、法人に対して罰金40万円の実刑を命じている。

問題の事故は2004年2月18日の午後4時35分ごろに発生している。江差町水堀町付近の国道229号線で、砂利を搭載して走行していた10トン積みのダンプトラックの左側後輪タイヤ2本(ダブルタイヤ)が突然脱落した。

タイヤはそのまま歩道上を滑走。このうち1本が歩道を歩いていた3歳の男児を直撃した。負傷した男児はすぐに病院へ収容されたが、頭部のケガがひどく意識不明の状態が続き、事故から11時間後に脳挫傷などが原因で死亡している。

被告の男は2003年12月22日、江差町内の自動車整備会社で点検を受けた際、後輪タイヤ(ホイール)をハブに固定するためのボルト数本に亀裂が生じ、破断・脱落の危険性があることを整備業者から指摘されたが、これを修理せずに放置、事故当日まで約6200kmを走行した。

この結果、金属疲労が進行しつつあったボルトにさらに過大な負担が掛かり破断。走行中にタイヤが脱落するに至った。

5日に行われた判決公判で、函館地裁の園原敏彦裁判長は「ボルトの抜け落ちを整備担当者から指摘されながらも、修理を怠ったために事故は起きた」と認定。

その上で「被告の杜撰ともいえる車両管理や、安全意識の低さなどが、そもそもの原因であり、重さ100kgを超えるタイヤを脱落させるに至った被告の責任は重い」と指摘し、運転していた男に対しては禁固2年と罰金40万円の実刑を、法人としての被告には罰金40万円の実刑を命じた。

なお、被告側はこれを不服として、即日で控訴の手続きを取っている。

《石田真一》

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