MINI『クーパーS』に追加された6速AT車には、4つのシフトモードが用意されている。ひとつ目はDレンジを使ったモード。これは普通に自動で6速のなかから最適なギアをチョイスしてくれるものだが、このATにはAGSと呼ばれる学習機能が搭載されている。ドライバーのアクセルの踏み方などのクセを学習し、それに合わせて最適なシフトタイミングをプログラムしてくれる。
ふたつ目はDレンジで走行中にステアリングのシフトパドルを操作してマニュアルモードを選んだ場合。この状態は、現在走行中のギアからシフトダウンが行なわれるが、そのまま走行を続ければ、数秒後にはDレンジに自動的に復帰するというもの。とっさにエンジンブレーキが欲しいときなどには便利なモードだ。
3つ目はシフトレバーを右側に倒してSDモードを選んだ場合。この状態ではマニュアルモードにはならず、高回転域を重視した自動変速モードとなる。ワインディングなどで高回転をキープしながら、自動変速で走りたいときに使えるモード。
そして4つ目はシフトレバーを右側に倒した状態で、ステアリングのシフトパドルかシフトレバーでマニュアル変速を行なった場合。この場合は自動でDレンジに復帰しなくなるので、任意でギヤをチョイスする必要がある。積極的にギヤを選んでスポーツドライビングを楽しみたいときには必要なモードだ。
BMW MINIディビジョンの西山雄一郎さんは「それぞれのモードを適時活用していけば、街なかからサーキットまでMTに匹敵する走りが可能だと思います。価格の面では6速MTよりも15万7500円ほど高くはなりますが、決して高い設定ではないと思います」と語る。
これだけ細かい4つのモードを持ち、ここまでレスポンスよく反応してくれるATなら、断然ATをおすすめしたくなってしまう。(つづく)