女性に一方的な好意を抱いていたものの、自分に振り向いてくれないことを逆恨みし、この女性が所有するクルマのタイヤをパンクさせたり、下着を盗んでいたとして、器物損壊と窃盗の罪に問われた41歳の男に対する判決公判が20日、宇都宮地裁で開かれた。
裁判所は被告の男に対し、執行猶予付きの有罪判決を言い渡している。
問題の事件は2004年10月20日に発生している。宇都宮市内に在住する30歳代の女性が、自己所有するクルマを宇都宮市戸祭元町内の駐車場に止めていたところ、このクルマのタイヤ4本が千枚通しのようなもので穴を開けられ、パンクさせられる被害を受けた。
女性のクルマは同年8月以降から執拗に狙われており、この事件が起きるまでにも5回の同様被害を受けていた。また、自宅から下着が盗まれるなどの被害も出ており、警察では悪質な嫌がらせ目的の事件として捜査を開始していた。
10月のパンク事件が発生した夜、被害を受けた女性と以前同じ職場に勤務していた41歳の男(被告)が上司に連れられて警察に出頭。この男がすべての事件に関与していたことがわかり、器物損壊の容疑で逮捕・起訴されていた。
20日に行われた判決公判で、宇都宮地裁の岩渕正樹裁判官は「自分に好意を持ってくれないことを逆恨みしたことが犯行の動機になったことは間違いない」と指摘。
「被告は被害者に対して“何か困ったことがあったら相談してください”と持ちかけており、自らに相談させるための犯行を繰り返していた」と認定した。
だが、被告本人は事件発覚後に懲戒免職されており、一定の社会責任を受けていること。罪状について反省していることなどは斟酌。被告に対して懲役2年(執行猶予4年)の有罪判決を言い渡している。