悪魔の命令でひき逃げ…刑事責任は認められるか

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大阪府茨木市で自殺の道連れにすることを目的に、クルマを暴走させて2人を殺害したとして殺人と殺人未遂の罪に問われた25歳の男に対する初公判が23日、大阪地裁で開かれた。被告側は「事件当時は心神喪失状態で、責任能力はない」と主張している。

問題の事故は2004年11月18日に発生している。同日の午前6時25分ごろ、茨木市中穂積3丁目付近の市道で、自転車で駅に向かっていた女性など5人が後方から走ってきた乗用車に次々とはねられた。

現場の道路はクルマ1台が通るのが精一杯の細い道だったが、クルマはこの道路をかなりの速度で、ときにはジクザク走行をして周囲の壁などに接触を繰り返しながら、文字通り「自転車を追い掛け回す」状態で走り続けた。

クルマは最終的に近くのアパートの生垣に突っ込んだが、事故に巻き込まれた男性2人が死亡。男女3人が重軽傷を負っている。

警察では24歳(当時)の男から業務上過失致死傷容疑で事情を聞いていたが、取り調べに対してこの男は「人を殺そうと思った」などと供述したため、未必の殺意が生じていたと判断。容疑を殺人と殺人未遂に切り替えて送検。検察も同罪で起訴していた。

20日に開かれた初公判で、検察側は「被告は自殺しようとしたが死にきれず、他者を殺害して死刑になることを狙って犯行に及んだ」と指摘。捜査段階で行った精神鑑定の結果から「刑事責任能力あり」との判断を行っている。

これに対して被告は「自殺の道連れにしようとしたというのは誤っている。悪魔にやれと命令されたのが真実だ」などと主張。弁護側も「被告は事件当時は心神喪失の状態にあり、刑事責任能力はない」として、改めて精神鑑定を求める方針を示している。

《石田真一》

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