パイロット、550kmの深夜ドライブ直後に乗務

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全日空は5月27日、同社の乗務員が社内規定に違反し、乗務12時間前以降の飲酒を行っていたことを明らかにした。パイロットは会社に違反事実を申告し、代わりのパイロットは東京から自らクルマを運転し、秋田に向かったという。

これは全日空が5月27日に明らかにしたもの。社内規定に違反し、乗務12時間前を超えて飲酒を行っていたのは、同社でボーイング767型の操縦資格を持つ37歳の機長と、29歳の副操縦士。同乗していた訓練中の37歳副操縦士と、客室乗務員など合わせて8人。

この8人は東京−秋田線の乗務を5月4日午後に終えた後、宿泊地となった秋田県秋田市内の飲食店で午後6時ごろから午後9時30分ごろまで飲酒を含む食事を行ったとされている。

この乗務員は翌日(5月5日)の午前7時50分に秋田を出発する便に乗務する予定で、本来なら乗務12時間前に当たる午後7時50分以降の飲酒は社内規定によって禁止されていた。だが、飲食していた乗務員全員がこれを失念。そのまま飲酒を続けていたという。

パイロット3人はホテルに戻った4日深夜に違反事実に気がつき、5日未明に羽田のオペレーションセンターに連絡、社内規定に違反して飲酒を続けてしまったことを報告するとともに、予定されていた乗務を辞退した。

オペレーションセンターは待機していた2人のバイロットを代替として指名したが、すでに公共交通機関で移動できる時間帯では無かったことから、東京からクルマで向かうように指示。

副操縦士がクルマを運転し、飛行機の操縦を担当する機長は後部座席で仮眠を取りながらの移動となった。

東京(羽田)を出発したのは午前2時すぎで、以降は高速道路を使って約550kmを走り、秋田空港には午前7時20分に到着した。その後、乗務前のブリーフィングを手早く済ませ、飛行機は午前8時すぎに秋田空港を離陸したという。

5人の客室乗務員については「運行への影響はない」として、そのまま乗務させている。

クルマでの到着後、わずか30分のインターバルを置いて飛行機の乗務を行ったことについて、全日空では「当該便に限っての乗務であり、特に問題はない」としている。

このトラブルが起きた日はゴールデンウィークの連休中であり、問題の便も満席だった。他の便への代替も難しく、運航を休止するリスクを避けるために行った緊急の措置だが、東京から秋田をクルマで夜通し走らせた後に飛行機の操縦をさせることが適切だったかどうかには疑問が残る。

なお、全日空では8人の乗務員に対して5月17日から20日付けで文書による訓戒の懲戒処分を実施。直属の上司ら3人には厳重注意の処分も実施した。

《石田真一》

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