【レクサスGS430 欧州リポート】その3 上質ゆえの洗練さがにじみ出ている…河村康彦

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【レクサスGS430 欧州リポート】その3 上質ゆえの洗練さがにじみ出ている…河村康彦
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今回取材したのは、4.3リッターのV型8気筒エンジンを搭載した『GS430』のみ。日本には、新開発の3.5リッターV型6気筒エンジン搭載の『GS350』もリリースされることが発表ずみだが、「高級車であっても経済性を重視した比較的小排気量のモデルを好む層が確実に存在する」というヨーロッパ市場向けには、前出GS430と3リッターのV6エンジンを搭載した『GS300』の2本立てという設定。したがって、基本的にはヨーロッパ市場に向けてのイベントである今回の国際取材会には、GS350の用意はなされていなかった。

およそ1.7トンという重量に対し4.3リッターという排気量は、走りのシーンにかかわらず十二分な余裕を味わわせてくれる。V8エンジン+6速ATという組み合わせが生み出すその加速感は、0→100km/h加速が6.1秒、0→400m加速が14.4秒という俊足ぶりを誇るいっぽうで「上質でジェントル」と表現したほうが似合いそうでもあるもの。ちなみに欧州仕様車の最高速度は、そもそもはヨーロッパメーカー間の“紳士協定”で決定をされたとされる250km/hという値への設定となる。

前出のデータのように絶対的な加速力にはまったく不満のないGS430だが、歴代『アリスト』の魅力のひとつをターボブーストが加わった際のパンチ溢れる加速感にあると受けとってきた人にとっては、その上質なフィーリングが「物足りなさ」と解釈される可能性は拭い去れない。この期に及んでシフトパドルやダウンシフト時のエンジン回転数シンクロ機能の設定がなされなかったのも、“新時代のスポーツセダン”を標榜するわりには少々物足りなくも思えるポイント。静粛性は当然のごとく“一級品”。ただし、そのぶん高速時の風切り音が目立つという印象も受けることになった。

245/40という「薄くてファット」な18インチのシューズを履くにもかかわらずも、ばね下が期待以上に軽快に動いてくれるフットワークのテイストは大いに褒められる部分。接地感を濃密に伝えるステアリングフィールも、“スポーツセダン”を名乗るのに不足ナシという印象だ。ただし、ハンドリング感覚については同じ仕様であるはずの複数のテスト車が、その個体によってやや大きめの差異を発生させていたのはちょっと気になるところ。とくに、微舵操作を行なった時点での応答性や正確性にはそんな傾向がやや強めに認められることになった。

いよいよ日本でのスタートとなるレクサスのブランド。そして、記念すべきその開業に合わせて登場となるのがGSというモデル。果たして、アメリカの場合と同様の成功を収めることができるのか否か。その解答が出るのは間もなくだ。

《河村康彦》

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