クルマからの飛び降り、飲酒運転を止める口論が発端に

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衝動的に走行中のクルマから飛び降りた20歳の長女を救助することなく放置し、死亡させたとして保護責任者遺棄などの罪に問われた40歳の女に対する初公判が21日、水戸地裁で開かれた。

女は起訴事実を全面的に認ており、裁判は即日で結審している。

問題の事件は今年4月17日に発生した。

同日の午前3時ごろ、茨城県美野里町羽鳥付近の国道355号線で、路上に若い女性が倒れているのを通り掛かったクルマのドライバーが発見、警察に届け出た。女性は近くの病院に収容されたが、意識が戻らないまま18日に脳挫傷などが原因で死亡している。

現場付近は夜間でも比較的交通量の多い道路にも関わらず、女性の着衣にはタイヤ痕が付着していないことから、警察ではひき逃げではなく、走行中のクルマから転落した可能性が高いとして捜査を続けていた。

後にこの女性は石岡市内に在住する20歳の女性と判明し、この女性の母親にあたる40歳の女の供述内容に不明瞭な点があることから警察が追及したところ、女は「帰りの車内で接客態度を巡って口論となり、娘は走行中のクルマから自分で飛び降りた」と供述。

警察では「運転者として必要な救護を怠った」として、道路交通法違反(救護義務違反)容疑で逮捕。保護責任者遺棄致死などの容疑でも調べていた。

21日に行われた初公判の冒頭陳述で、検察側は「口論の発端は、死亡した長女が女の飲酒運転を注意したことだった」と指摘。これに逆上した女と長女の生活態度などを巡って激しい口論に発展したことも明らかにした。

また、走行中のクルマから「飛び降りる」と言い出したのは長女だったが、女も「飛び降りればいい」などと、これを後押ししていたこともわかった。この証言が出た直後、裁判官が「彼女は本当はあなたに止めてほしかったのではありませんか?」と女に諭すような場面も見られた。

女が起訴事実を全面的に認め、争う点も無いことから裁判は即日結審。検察側は裁判所に対して懲役3年の実刑を求刑している。

《石田真一》

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