千葉県警は12日、トラブルになった男性2人をクルマで故意にはねたとして、21歳の男を殺人未遂容疑で緊急逮捕した。被害を受けた男性が落とした携帯電話を悪用し、この男性と偽って女性を呼び出そうとしたことがトラブルの発端になったという。
千葉県警・柏署によると、殺人未遂容疑で逮捕されたのは、流山市内に在住する21歳の男。
この男は今月8日、家族が拾ってきた携帯電話機のメールログに若い女性からのものがあることを発見。電話の所有者を装って「会おう」という内容のメールを送り続けた。
これに不審を感じた19歳の女性が電話の所有者であり、交際中の19歳男性に別手段で連絡。この男性はメールを送りつけてきた人物を呼び出し、携帯電話機を奪い返そうと計画し、女性の携帯電話機を使って「駐車場に迎えに来て」などと呼び出した。
男は11日の午後9時5分ごろ、メールで指定された柏市富里3丁目付近にある家電量販店の駐車場に出向いたが、ここには電話の女性の姿はなく、電話の所有者と、その友人の18歳男性が待ち構えていた。
2人は男に対して携帯電話機を返すように要求したが、男はクルマの中に逃げ込んだ。男性らは逃走を阻止しようとしたが、男はこれに構わずクルマを急発進させ、2人を故意にはねた。
クルマはそのまま走り去ろうとしたため、2人は左右からクルマにしがみついたが、クルマは停止しなかった。それどころか運転していた男は2人を振り落とすために駐車場内で蛇行を繰り返し、2人を120mに渡って引きずった。最終的に2人は振り落とされたが、この際に全治1-2週間の打撲を負っている。
男はそのまま帰宅したが、翌朝になってからクルマに傷がついていることを家族が発見して問い詰め、犯行が発覚。父親と一緒に同署に出頭し、その場で緊急逮捕された。
取り調べに対し、男は「2人が死んでも構わないと思ってやった」などと、容疑を大筋で認めているという。
警察では被害者2人からも事情を聞き、事件の詳しい経緯を調べる方針だ。