駐車車両の回避義務は後続車にあり

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2001年7月、福岡県宗像市内の県道で、路上駐車していたトラックにバイクが衝突し、バイクに乗っていた男女2人が死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われていた52歳の男性に対する判決公判が19日、福岡地裁で行われた。

路上駐車と、その告知に対する責任が問われたが、裁判所は男性に対して無罪を言い渡した。

問題の事故は2001年7月25日に発生している。同日の午前0時ごろ、宗像市曲付近の県道を走行していた18歳の男性が運転するバイクが路上駐車をしていたトラックの後部に激突。転倒した際に同乗していた22歳の女性とともに投げ出され、この2人が頭部強打などが原因で死亡した。

事故はバイク側の責任が過大とされ、トラックを現場に駐車した48歳(当時)の男性は不起訴となったが、バイクを運転していた男性の遺族が「駐車禁止の場所にクルマを放置し、衝突防止の措置を怠った」として、福岡検察審査会の不起訴の不当を申し立てていた。

同会はこれを認め、検察が再捜査を行った結果、トラックを運転していた男性は業務上過失致死罪で起訴された。

しかし、公判中にトラックを駐車していた道路については、実際には公安委員会による駐車禁止の規制がなされていないにもかかわらず、警察が誤認して駐車禁止の標識を設置していたことが判明。公判中に訴因の変更がなされただけでなく、駐車禁止の場所に駐車していた…という主張の柱が折られることにもなり、その動向が注目されていた。

19日に行われた判決公判で、福岡地裁の川口宰護裁判長は「バイクを運転していた男性が前方を注視し、通常の運転操作をしていれば衝突は容易に回避することができた」と指摘。駐車車両の回避義務自体はバイクの運転者にあったことを強調し、トラックを駐車した男性には無罪を言い渡した。

《石田真一》

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