執拗な煽り立て起因の事故で実刑判決

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車線変更して自車の前に割り込んできたクルマに腹を立て、このクルマを執拗に煽り立てて追突事故を誘発。3人を死傷させたとして危険運転致死傷罪に問われた38歳の男に対する判決公判が20日、神戸地裁で行われた。裁判所は懲役4年の実刑を命じている。

問題の事件は2002年12月7日に発生している。同日の夜、兵庫県伊丹市内の国道171号線(片側2車線)で、被告の男が乗用車を運転していたところ、当時34歳の男性が運転する乗用車が車線変更をして男のクルマの前に入ってきた。

男はこれを「割り込みされた」と判断して激怒。車間約2.5m以下まで接近した状態で60−70km/hまで加速。約400mに渡って執拗に追い掛け回し、渋滞のために減速していた前方のトラックに追突させる事故を誘発した。この事故で運転していた男性が即死。同乗者2人が重傷を負った。

警察や検察では男が死亡事故を誘発する過剰な煽り立てを行ったとして、危険運転致死傷で逮捕・起訴したが、これまでの公判で男の弁護側は「被害者は車線変更して逃れることもできた」として、真っ向から争う姿勢を見せていた。

20日に行われた判決公判で、神戸地裁の的場純男裁判長は、被告の行為を「至近距離まで急接近し、不安に駆られた被害者を前方不注意の状態に陥らせる危険で悪質な行為だった」と認定した。また、煽り立てて走行した時間は20秒で、回避が難しかったことを指摘。

「仮に被害者の運転が不適切な割り込みだったとしても、死に追いやられるほどの落ち度はない。被害者を理不尽な死に追いやったのは間違いない」として、懲役4年の実刑を言い渡した。

検察は「極めて悪質な行為で実刑は妥当」と評価するが、被告弁護側は「危険運転に当たらない」として控訴する方針を示している。

《石田真一》

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