酔った勢いで同僚の運転する大型トラックから強引に降車し、このトラックにはねられて34歳の男性が死亡した事故について、佐賀県警は7月26日、被害男性と一緒に同乗していた41歳の男を道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕した。
この男はトラックの運転をしていなかったが、すでに同容疑で逮捕されている30歳の運転手の男を制止しなかったことから同様の責任が問われることとなった。
佐賀県警・鳥栖署によると、問題の事故が起きたのは7月16日の午後10時30分ごろ。鳥栖市水屋町付近の国道3号線に架かる千歳橋を走行していたトラックの助手席側から男性が転落し、同じトラックの後輪に巻き込まれる様子を後続車のドライバーが目撃し、警察に届け出た。男性をはねたトラックはそのまま現場から逃走。男性は近くの病院に収容されたが、約3時間後に死亡している。
警察では目撃情報や、被害者の身元などからトラックを所有する運送会社を特定し、運転していた30歳の男を業務滋養過失致死や道交法違反(ひき逃げ)の容疑で逮捕した。調べに対して男は「酒を飲んでいた被害者と口論になった。(被害者は)酔った勢いで飛び降りたなどと供述。本来は被害者が運転するはずだったが、酒を飲んでいたために逮捕された男が帰宅を止めて運転を交替。これが原因で口論になったという。
また、事故が起きた際には41歳の別の運転手もトラックに同乗していたが、この男は被害者が転落して後輪に巻き込まれたことも把握しながら、運転していた男に対してトラックを停止させるように進言していなかったこともわかった。このため、警察では「同等の責任がある」と判断。この男についても道交法違反容疑で逮捕に踏み切った。
警察では「クルマを運転していない同乗者をひき逃げ容疑で逮捕するのは異例だが、同じ会社に勤務する同僚であり、事故発生を故意に看過したと評価したことが逮捕理由」と説明している。