【スバル ハイブリッド】ミラーサイクルで2割の燃費改善

自動車 ニューモデル 新型車

スバルの新型「ターボ・パラレルハイブリッド」(TPH、18日発表)のキーデバイスのひとつは、ミラーサイクル化されたターボ付き水平対向エンジンだ。

ミラーサイクルとは、圧縮行程より膨張行程を大きく取り、エンジンの内部損失の大きなファクターであるポンピングロスを低減させる技術。スバルの開発陣によれば、ミラーサイクル化、低フリクション化を合わせ、エンジン単体で10%ほど高効率化されているという。

ベースは現行『レガシィ』に搭載されているEJ20型。このエンジンは標準で吸排気両方のカムに連続可変バルブタイミング機構AVCSを備えているが、TPA用エンジンはその制御を利用してバルブ遅閉じミラーサイクル化を実現させる。

膨張行程は11以上とNAエンジン並みの高さ。圧縮行程はAVCSの制御により、最低は8以下から上限はターボのノーマルエンジンと同等までの可変。「高出力時はオットーサイクルに近いスペックとなります」(スバル関係者)。

ミラーサイクルは実質的な排気量が通常のエンジンより小さくなるため、パワーやトルクも低くなってしまう。スバルは、得意としているターボを組み合わせることで、この問題に対処している。タービンはミラーサイクル化による出力減少を補うため、ノーマルより大風量のものが組み合わされている。

この新エンジンの弱点は、過給圧が高まらない低回転域で通常のエンジンにくらべてトルクが薄いこと。それを補完することが、最大トルク15Nmを発生するTPHのモーターの役割なのである。ミラーサイクルエンジンとTPHの組み合わせにより、現行『レガシィ』GTターボのスペックを維持しながら、10・15モード燃費で約2割の燃費改善効果を得ることができるという。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  2. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  3. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
  4. トヨタの顧客は1億5000万台…バリューチェーンで財務基盤強化
  5. 『GRカローラ』『フリード』『ソリオ』の走りを変える! ブリッツの「スロコン」「スマスロ」が適合
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  5. アステモの軽EV用インホイールモーターやジヤトコの2モーターK12マーチなど、国内サプライヤー技術が熱い!…人とくるまのテクノロジー展2025
ランキングをもっと見る