いかなる理由でも、人に向かってクルマを走らせてはいけない

自動車 社会 社会

出会い系サイトで女性になりすましていた男性をクルマではねて死亡させたとして、傷害致死の罪に問われた68歳の男に対する判決公判が25日、大阪地裁堺支部で行われた。裁判所は男に対し、懲役3年の実刑判決を言い渡している。

問題の事件は昨年11月14日に発生している。同日の午後1時30分ごろ、大阪府堺市小代付近にある飲食店の従業員から「駐車場で男性がクルマにはねられ、今も下敷きになっている」との通報が寄せられた。警察官が現場に急行し、クルマの下敷きとなったままとなっていた男性を救出。近くの病院に収容したが、腹腔内出血で約3時間後に死亡した。

死亡したのは29歳の男性と判明したが、クルマではねた68歳の男は「男が突然近寄ってきて窓ガラスを叩き始めた。怖くなって逃げようと思ったところ、はねてしまった」などと供述していたが、その後の調べで死亡した男性は女性になりすまし、出会い系サイトにメッセージを投稿。これに誘われてやってきた男を襲撃しようとし、逆に被害に遭ったことが判明した。警察では傷害致死容疑で男を逮捕。検察は同罪で起訴していた。

25日に行われた判決公判で、大阪地裁堺支部の細井正弘裁判長は「前方に立ちふさがる被害者に向けてクルマを進行させた行為は、短絡的で危険極まりない」と指摘。懲役6年の求刑に対し、懲役3年の実刑判決を言い渡している。

今回のケースは死亡した男性側の方が襲撃を目論んだ可能性も高い。被告側の無罪主張は却下されたが、判決の結果を見れば事情を酌んだとも受け取れる。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産『ノートオーラ』など5車種783台をリコール…光軸が保安基準を満たさない
  2. 「息を呑むような美しさ」マツダ『VISION X-COUPE』に熱視線! 新時代のクーペ像にSNSでは期待の声
  3. カローラクロスと立場が逆転、だからこそ生まれた「斬新セダン」のデザイン…ジャパンモビリティショー2025
  4. ライバルはアルファード? メルセデスベンツの最高級ミニバンが日本初公開!…ジャパンモビリティショー2025
  5. 【マツダ CX-5 新型】反対を押し切った「一本のプレスライン」が生み出す妙、「原点回帰」めざしたデザインとは
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る