スバルの環境技術の目玉のひとつとして公開された試作軽電気自動車『R1e』だが、売りは最高速は環境性能だけではない。動力性能、とくに電気モーターが得意とする中低速領域の加速性能において、既存の電気自動車のみならず、ガソリンエンジン搭載の軽自動車をも上回る数値をマークしていることもセールスポイントのひとつだ。
モーターの最高出力は40kW(54ps)/6000rpmと、軽自動車の高性能版NAエンジン並みで、0-60km/h加速は7.4秒。同クラスのEVがおおむね8秒台であるのに比べてかなり速いばかりでなく、ガソリン版『R1』の7.7秒をもしのぐ。最高速度は120km/hとガソリンにくらべてやや劣るが、軽自動車用途としては充分すぎるスペックだろう。
静粛性も通常のガソリン車より優れている。スバルは2003年、東京モーターショーに“初代”R1eを出品した。事前のプレス向け撮影会では撮影角度を変えるためにモーターで発進する光景がみられたが、走り出しはほとんど無音に近かった。その後のIPMモーターの進歩を考えると、静粛性はさらに向上しているものと思われる。