フォード・モーター・カンパニーは、来年イギリスで発売を予定しているバイオエタノールも燃料に使用できるフレキシブル・フューエル車の『フォーカスFFV』の走行テストを開始した。
2006年の3月頃に40台のフォーカスFFVを納車する予定で、これらのフォーカスFFVには、英国サマセット産の小麦から精製したバイオエタノールが燃料として使用される。納車先は、サマセット州議会、ウェセックス穀物取引所、エイボン警察とサマセット警察、ウェセックス水道局など、サマセット・バイオフューエル・プロジェクトのメンバー。
フォードは英国で大手自動車メーカーとしては初めてバイオエタノール車を市場投入することになる。プロジェクトに納入されるクルマは、今年発売された新型「フォーカス」のバイオエタノール・バージョン。燃料スタンドを新たに5ヵ所に設置した。
フォードは、サマセットでの試験的導入で、FFV、バイオエタノールへの関心の拡大を狙っている。
英国フォードのポール・トーマスマネージング・ディレクターは「フォーカスFFVは、英国で高い評価を得ているフォーカスの性能と操作性はそのままに、供給状況の進展とともにバイオエタノール燃料も選択して使用できることになる。このクルマを公用車両として使用する政府や民間ユーザーがさらに増加し、そして最終的には一般ユーザーがこの再生可能燃料の利点を認識するようになると信じている」と述べている。
スウェーデンでは、販売されたフォーカスの80%がFFVモデルで、バイオエタノールの価格はガソリンよりも4割以上安い。サマセット・バイオフューエル・プロジェクトは、スウェーデンの事例を参考にしながら、地域のバイオエタノール供給網の確立やフレキシブル・フューエル車の普及を目指す。
1.8リッターのフォーカスFFVは、ガソリンのみを使用するフォーカスに比べ、二酸化炭素の総排出量を70%低減できる。このクルマでは、E85バイオエタノール(エタノール85%、ガソリン15%の混合燃料)、またはガソリンを混合比率を問わず同じ燃料タンクで使用できる。
最大出力125PSのフォード・フォーカスFFVの価格は1万4095ポンド。