トヨタ/富士通テンの『1画面2画像』の仕組み

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トヨタ/富士通テンの『1画面2画像』の仕組み
トヨタ/富士通テンの『1画面2画像』の仕組み 全 5 枚 拡大写真

この秋に登場したカーナビで注目なのが『デュアルAVN』である。これは運転席側と助手席側とで異なった画面を同時に見ることができるようにしたAVNのこと。26日にトヨタが『アルファード』の特別仕様車に搭載し、続いて富士通テンが自社のAVNラインナップにこれを加えたことで大きな注目を浴びた。

【画像全5枚】

この液晶パネルを前にして右側から左側へと見る位置を移動させていくと、それまで地図が表示されていた画面が少しずつTV(あるいはDVD等)映像に切り替わっていく。つまり、この仕掛けによって、助手席側からならTVやDVDビデオを視聴してもいいし、カーナビの操作も助手席側から行っても大丈夫としたのだ。
 
この液晶パネルの基礎技術は、家電メーカーのシャープが開発した新しい液晶パネル技術から成っている。その秘密は液晶パネル上に設けられた特殊な膜(バリア)にある。この膜は映像が見える透明な部分と映像が隠れる黒い帯で構成され、TFT-LCDパネルの画素と若干ずれて配置されている。そのため、角度によって内容の違う表示を見ることが可能になるのだ。

しかし、この考え方はあくまで理論であって、実際に製品として完成するまでにはかなり険しい道程があったと聞く。たとえば、この仕掛けの基本となる膜によって地図の道路が途切れて表示される現象が頻繁に発生したという。地図を表示させようとしても、道路が破線状にしか表示することができず、一時は「こりゃあ使い物にならん」とあきらめたこともあったという。そんな中で帯に改良を加え、表示のための駆動回路に工夫を凝らすことで、思い通りの表示が可能となったのだ。

ただ、この液晶パネルを使うことでマイナスとなった面もある。それは、たとえばVGAの画素数を半分ずつ異なった映像を表示しているようなものなので、全体に画像が暗めに表示されてしまうことだ。さらにこのモードでは正面から見ると二つの映像が重なって見えてしまう。そのため、製品化されたAVNにはこの『デュアルモード』をOFFとするモードも用意されている。もちろん、この時は助手席側からもカーナビ操作はできなくなる。

それでも、運転に関係のない助手席側で、好きな映像が自由に見られたり、カーナビ操作ができるメリットは大きい。トヨタではミニバンであるアルファードにこの製品を搭載したが、どちらかといえば『MR-S』のような2シーターに搭載した方がよかったようにも思う。液晶技術の進歩が、カーナビに新たな世界をもたらしたと言えるだろう。

《会田肇》

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