バイクを執拗に追い掛け回し、高速道路での逆走事故を誘発させたとして、大阪府警は4日、27歳と24歳の男を暴行容疑で逮捕した。当初は単独事故だと思われていたが、目撃証言などから判明したという。
大阪府警・高速隊によると、問題の事故は6月19日の午前3時45分ごろに発生している。大阪市住之江区内の阪神高速湾岸線で、23歳の男性が運転するバイクが約4kmに渡って逆走し、順走していた乗用車と正面衝突。バイクを運転していた男性と、後部に同乗していた15歳の少年が死亡している。
当初は単独による逆走とみられていたが、その後の調べで「約1kmほどは乗用車も一緒に逆走していた」という目撃情報が寄せられた。さらに調べを進めたところ、男性の仲間から「一般道を走っているときから変なクルマに追い掛け回されていた」との証言を得られた。これらの情報から、警察では「逆走は運転者本人の意思ではなかった可能性が高い」と判断して捜査を開始。27歳のと24歳の男が関与したものとみて、任意で事情を聞いていた。
この結果、男たちは「集団でバイクが走っていてジャマだったので、どこのグループだと聞いたが、無視をされたために腹が立って追いかけた」、「高速道路に逃げ込んだのでそのまま追いかけたが、逆走は自分たちに危険が及ぶので止めた」などと、交通トラブルが発端となって容疑に関与したことを大筋で認めたため、暴行容疑で逮捕している。警察では2人を厳しく追及し、事件の全容解明を急ぐ方針だ。