【ミシュラン 新スタッドレス発売】中は硬く、表面は柔らかいコンパウンドが氷上で効く

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【ミシュラン 新スタッドレス発売】中は硬く、表面は柔らかいコンパウンドが氷上で効く
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『X-ICE』はミシュランのグローバルブランドのスタッドレスタイヤとして誕生した。日本以外では北欧3国、カナダ、韓国、中国などで販売される。日本国内専用スタッドレスタイヤの『DRICE』と同じように、日本のミシュラン・リサーチ・アジアにより開発された。

クロスZサイプはDRICEからそのまま継承された。サイプとはナイフカットのような接地面の切れ込みのこと。クロスZサイプは一見普通のジグザグ型だが、じつは中では卵ケースの凸凹のような3次元の複雑なデザインになっている。これは氷の上に浮いた水を吸い取り、回転しながら排出するために効果的だ。

さらにクロスZサイプの特徴は、コーナリングやブレーキで大きな力がタイヤに掛かったときに3次元の形状が重なり合ってしっかりする。これはウェット路面やドライ路面でも効果的な働きをすることだ。

さらにミシュランではアイス路面とドライ路面の両方でグリップが向上するマジックのようなトレッドコンパウンド(接地面ゴム)を開発した。通常アイス路面ではソフトなコンパウンドの方がグリップがよい。しかしあまり追求し過ぎるとグニャグニャして、ドライ路面のハンドリング性能が落ちてしまう。ここがタイヤ開発者にとって二律背反のジレンマだ。

しかし中は硬く、トレッド表面だけがソフトになるトレッドコンパウンドができたのだ。それがAPSテクノロジーだ。ゴムが減っていっても路面と接触する表面だけがソフトだから、アイスバーンでもグリップする。しかし芯の部分の剛性が高いからドライ路面でのグリップがしっかりするのだ。

ブランドマーケティングを担当する 日比野忠司さんは、「この素晴らしいゴムの特徴をお客様に理解していただくのが非常に難しい」と語っていた。確かに筆者も最初は意味がわからなかった。でもゴム表面のほんの薄いところだけが、走行したときの圧力によって分子が壊れてソフトになると聞いて、なんとなくわかってきた。(つづく)

《こもだきよし》

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