【東京モーターショー05】ボッシュのクリーンディーゼル

自動車 ニューモデル モーターショー
【東京モーターショー05】ボッシュのクリーンディーゼル
【東京モーターショー05】ボッシュのクリーンディーゼル 全 3 枚 拡大写真

独ボッシュグループのブースに鎮座しているメルセデスベンツ『CLK320CDIカブリオレ』。欧州の排ガス規制「EURO-4」はもちろん、東京都など日本の大都市圏で実施されている厳しい排ガス規制もクリアする、クリーンディーゼル乗用車だ(東京モーターショー、10月19日−11月6日)。

メルセデス・ベンツのオープンモデルにディーゼルエンジンが搭載されるのは、このモデルが初めてだ。「爽快なオープンエアドライブを楽しめるレベルまで、排ガス中の有害物質や騒音を低減させることができた」(ボッシュ関係者)という新世代ディーゼルテクノロジーは、ボッシュの基幹技術のひとつである。

パワーユニットは3リットルV6ターボディーゼルで、最高出力224ps、最大トルク52.0kgmを発生。このエンジンを搭載したCLKカブリオレの動力性能は最高速度が244km/h、0-100km/hが7.5秒と、かなりの駿足だ。

ボッシュは今後もディーゼルの有害物質削減のための開発を進める計画だ。まずは噴射ポンプのさらなる高圧化。「今後数年で噴射ポンプの本体内にブースターを内蔵させ、2500barに引き上げる予定です」(ボッシュ関係者)。ボッシュの強みである電子制御技術も、さらに高度化が図られるという。

ボッシュはNOx低減技術として尿素SCRを推しており、大型車用パワーユニットに採用しているが、将来的には乗用車用エンジンにも拡大採用する。尿素の噴射量は燃料の1%程度で、価格も1リットルあたり100円を切るレベルにまで下がっている。「あとは、尿素供給のインフラをどう構築するかがポイントになるでしょう」(ボッシュ関係者)。

ディーゼルの排ガス規制は今後、世界中でさらに強化される見通しで、それらに対応するのは簡単なことではない。ボッシュはディーゼルのトップランナーを自認するだけに、研究開発意欲も旺盛だ。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. もしも「タイプ992」が初代911をオマージュした世界線だったら…? ウクライナのデザイナーが再解釈
  2. 「鈴鹿8耐」最注目のヤマハ車は完全新作の『YZF-R9』! 150万円を切るなら「ブレイクの予感」しかない
  3. バイクの外観を損ねない!超強力マグネットのスマホホルダー「フリークマウント2.0」に新色5色
  4. 新世代MINI『クーパー』と『エースマン』に全身ブラックの「モノクローム」登場
  5. どう進化? アウディ『Q3スポーツバック』新型…7月のスクープ記事ランキング
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  4. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る