マイナーチェンジを行なった日産『フェアレディZ』で、もっとも走りの進化を感じさせてくれるのが、最高出力を294psに向上したMT車用の3.5リッターV6エンジンだ。
フェアレディZの開発責任者を務める、商品企画本部 湯川伸次郎さんは「新しくなったエンジンは35周年記念車として発売した、7000rpmのレブリミットを持つ限定車をベースに、吸気ダクトを大型化し、バルブタイミングを変更することでパワーアップを図っています」
「この吸気系は海外の仕様にあわせたもので、海外では300psを発揮していますが、日本では車外騒音の関係もあり294psに抑えられています。従来のエンジンよりも高回転域でパワーを出ていますので、マニュアルミッションには、とてもよく合ったエンジンに進化しました」と語る。
実際に新しくなったフェアレディZのマニュアル車に乗ってみると、湯川さんの説明どおり、高回転での伸びが一段と鋭くなっている。7000rpmまでキッチリと回り切り、なおかつパワーの伸びが衰えないのだ。今までのフェアレディZも、高回転型のエンジンではあったが、それ以上に高回転域でのパンチ力が増し、キレ味が鋭い。
逆にトルクのほうは少し落ちているといわれるが、それほど気になるものではなかった。この高回転の吹け上がりのよさは、新しくなったフェアレディZの最大の魅力といってもいいだろう。(つづく)